コロナの影響で、デスクワークの人は多くなっていると思います。しかし、座りっぱなしでは1日の活動量は低下してしまうので健康上はあまり好ましくないです。今日は座位時間がもたらす影響と対策をお伝えしようと思います。
座位時間が長いと何が良くないのか?
まずは座っている時間と健康に関する報告を見ていきましょう。
James A Levine(2005)らの研究によると、肥満の人は痩せている人に比べ、1日あたり座っている時間が2時間も長かったようです。その消費カロリーの差は350kcal、チョコレートケーキ一個分です。
次は座位時間と死亡率に関する研究です。座っている時間が最も長い人は最も短い人に比べ、死亡率が54%も高かったようです。(Peter T Katzmerzyk at el.:2009)
別の研究では、TVの視聴時間が長い人ほど、ウエスト幅は広く、血圧は高く、血糖値がよくなかったと報告しています。(Genevieve N Healy at el.:2008)
座っている時間が長い人ほど様々な健康上の被害が大きいようですね。
座位行動とLPL
ほんの少しの活動をするだけでもLPL(リポタンパク質リパーゼ)という酵素が活性化します。LPLには脂肪の貯蔵を妨げ、血糖値を下げる働きがあります。実際にLPLを活性化させたことにより、動脈硬化や高脂血症の改善に至ったそうです。
座ったままの時間では、足の筋肉は活動せず、LPLも活性化しません。そうなると肥満のリスクが高まり、血糖値の乱れにも繋がってしまいます。LPLを働かすためにも定期的に立ち上がりましょう。
定期的に立ちあがろう
座っている時間を中断するだけでも十分効果はあるようです。Genevieve N Healy(2008)らによると、座る時間を中断するほど、ウエスト幅は小さく、BMIは低値であり、食後の血糖値も良好であったそうです。
また、少し立ち上がって歩くだけでも脳への血流量が増加します。(Ernest R Greene at el.:2018)
脳への血流低下はアルツハイマー病や認知症のような症状を引き起こす可能性があるようです。作業の生産性を維持する上でも定期的に立ち上がることは重要になりそうですね。
実際、WHOやADAも座位時間を減らし、定期的に立ち上がることを推奨しています。座りっぱなしはそれだけ良くないということですね。
まとめ
インターネットの技術も進み、これからもデスクワークの人は増える一方かもしれませんね。しかし長時間の座位活動は健康上の観点からも好ましくはなさそうです。定期的に立ち上がったり、スタンディングデスクを活用するのもいいですね。
参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4312662/