「やり抜く人の9つの習慣」ってどんな感じの内容?
モチベーション科学の一任者による、成功者に秘められた習慣を解説してくれるのが本書。
ページ数が少ない分読みやすく、実際の研究などをもとに解説されてるので、情報の裏付けもされているのが特徴。
そこで本記事では『「やり抜く人の9つの習慣」の要約』をお伝えしていく。
読んだ感想を踏まえた内容になっており、購入を考えている人にとって役立つはずなので、ぜひ最後まで読み進めてほしい。
要約
本書は9章仕立てになっており、それぞれの章ごとに対し、自分なりに要点をまとめていく。
また、本書の根幹となる結論についても最初にお伝えする。
結論
つまり「才能が成功に導いた」のではなく、彼らは「ある種の思考や行動によって、自らを成功に導いている」のです。
- 成功に必要なのは「才能」ではなく、「正しい思考」や「正しい行動」
- 心理学者が目標達成やモチベーションについて多くの研究を行った結果、成功者には共通した「9つの習慣」を有してることが分かった
- 知能指数など、生まれついての才能では「成功するか否か」を予測することができない
第1章 目標に具体性を与える
- 目標とそのために必要な行動は、できるだけ具体的にする。
- 具体的な目標は、実現したか否かがはっきりわかる上、実現できなかった際はその原因も浮かび上がる。
- メンタル・コントラスト:必要なことを明確にするために「目標」と「現状」の差をイメージすること。
第2章 目標達成への行動計画をつくる
- If thenプラン:「もし、Xだったら、Yをする」というように、行動計画を具体的にする方法。
- 「いつ何をやるか」と行動レベルを明確にすることで、その実行率は300パーセントも高まる。
- ヒトの脳は「X なら Y」といったシンプルな文章を記憶しやすく、無意識的に実行できるようになる。
第3章 目標までの距離を意識する
- 目標に向かって行動する際は、フィードバックをして自身の進捗状況をモニタリングする。
- 目標に対する視点は2種類あり、「これまで思考」の人は「どこまでやり遂げたのか」に目を向け、「これから思考」人は「あとどれだけやらなければいけないのか」に目を向ける。
- 「これから思考」を重視することで、目標までの距離が把握でき、モチベーションが維持される。
第4章 現実的楽観主義になる
- 現実的楽観主義:「目標は達成できる」と信じていて、それに相応しい努力をする人。
- 目標達成を簡単に考えると、必要な準備を怠ってしまい、失敗の確率が高まる。
- 成功までの過程を考え、障害や問題を予見し、対処法を計画する。
第5章 「成長すること」に集中する
- 目標には2つのタイプがあり、「証明ゴール」は自身の能力を証明するための目標である一方、「成長ゴール」ば自身の成長を目標とする。
- 成功するためには「これから、何ができるようになりたいか」という「成長ゴール」を考える。
- 「成長ゴール」の人は、失敗してもモチベーションを維持できる。
第6章 「やり抜く力」をもつ
- 「固定的知能感」とは知的能力は生まれもっての素質であり変えようがないと考えることで、「拡張的知能感」とは能力は経験や努力によって高められると考えること。
- 「拡張的知能感」をもつことで、やり抜く力「グリット」を発揮することができる。
- 目標に対してうまくいっていない時、「固定的知能感」の人は自身の能力を原因と思い、「拡張的知能感」の人は自身の行動を原因と思う。
第7章 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
- 気が進まないが、取り組む価値があることをやることで、意志力は鍛えられていく
- 日常のちょっとした誘惑に打ち勝つ度に、意志力は消耗していく
- 意志力の強い人を想像したり、気分の盛り上がることをするだけで、意志力は回復する
第8章 自分追い込まない
- 意志力を過大評価せず、目標は複数同時に取り組まない。
- 「意志力には限りがある」という事実を受け入れた後に、意志力を鍛えるように取り組む。
- 誘惑が続くのを回避するために、何かを止めるときは段階的にではなく、一度にきっぱりと止める。
第9章 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
- 行動を計画する時は、マイナスの行動を避けるのではなく、プラスの行動に置き換える。
- 行動を止めようと思えば思うほど、その行動に対する衝動は強くなる。
- if thenプランでは「何をしないのか」ではなく「何をする」に代替する。
感想
本書を読んで感じた点を以下に記していく。
成功者には共通した思考・行動の習慣がある。
成功に必要なことは成功者に共通していた「9つの習慣」だと本書は語る。
何かを成し遂げるには才能やセンスは必要ないということ。
「元々は平凡以下だったけど」そう語ってる成功者って多くないですか?
多くの心理学の研究結果がこの事実を裏付けているそうです。
本書の著者もその研究者の一人です。
「現実的な楽観主義者」は目標までの障壁を考える。
本書は、何かを成し遂げるためには「現実的な楽観主義者」になろう、と主張します。
「現実的な楽観主義者」とはポジティブではあるけど、「道のりは大変だ」と考える人のこと。
「期末テスト?とりあえず勉強すればなんとかなるっしょ!」
じゃなくて
「期末テストは多分平気だな。一人じゃ理解できない箇所もあるだろうから相談できる先生も探しとこ」
といった感じですかね。
何かを達成するまでに上手くいかないこと、障壁はつきもの。
事前に対策を用意している「現実的楽観主義者」は挫折する確率が非常に低くなるんです。
「拡張的知能感」とは能力は後天的に鍛えることができるという考え方。
「拡張的知能感」を持つ人は「やり抜く力(GRIT)」を有していると著者は言います。
- 実力は後からでも身につけられるといった考え方。「自分には才能がないから上手くいくはずがない」ではなく「経験を積んで学んでいけばゴールへと近づいていける」と考える人。
何か上手くいかなかった時に、自分の行動を反省するから、継続できるってことらしいです。
たとえば
「ダイエットまた上手くいかんかった…多分、自分にはできないことなんだな。よし食べよう」
ではなくて
「なんでダイエット上手く行かないんかな。帰り道にコンビニが近くにあるからかな。よし、今度はコンビニの前を通らないルートで帰ってみよう」
みたいな感じですね。
自分の才能や能力を挫折の原因にしない「拡張的知能感」の人は継続力が高くなります。
成功を望むなら、成功をイメージすると同時に、そこまでの障害をイメージすること。
成功を望むなら、成功をイメージすると同時に、そこまでの障害をイメージすること。
本書ではモチベーションを維持するためのテクニックとして「メンタル・コントラスト」を紹介しています。
- 目標・理想をしっかりイメージして、それに到達した時の感覚を味わう
- 現状、今の自分とイメージした理想との距離を明らかにし、そのゴールに必要なことを考える
これ面白いですよね。
「ダイエットで美しくなった自分」は想像しても「食べたいものを我慢している自分」をイメージする人って少ないと思います。
しっかり「プロセス」にも目を向けるってことが重要ってことです。
「ブログとりあえず上手くいくっしょ」
そんな軽い気持ちでブログを始めましたね。
でもやってみると上手くいかないこともたくさんあって、途中で挫折したこともあります。
話のネタが全然見つからなかったり、読ませるための文章を書けなかったり、記事を書いても収益が出なかったり。
事前にそんな状況が想定できてなかったから挫折しました。
でも今は、「上手くいかないこともある」そう思いながら淡々と続けています。
まだまだ結果というものはついてきてないかもしれませんが、とりあえず続けます。
メンタル・コントラストとは理想と現状の差を明確にすること。目標までに必要な道のりが明確になることで、モチベーションが持続する
事前にするべきことをはっきりさせておけば、意識しなくても、行動すべきときに自動的に行動できるのです。
事前にするべきことをはっきりさせておけば、意識しなくても、行動すべきときに自動的に行動できるのです。
本書には行動の実行率を高めるテクニックとして「if-thenプラニング」をすすめています。
「もしXなら、Yをする」といった感じで行動計画を立てる
- もし朝の通勤電車に乗ったら、読書をする
- もしお風呂に浸かったら、深呼吸をする
- もしトイレから出たら、腕立て伏せをする
脳はこういったシンプルな法則を好む性質があるみたいです。
考えすぎて腰が重くなるってよくありますよね。
事前に何をするか明確にしておけば、その行動は実行することができます。
もしジムに行ったら、耳学をする
僕が実践しているif-thenプラニングです。
「時間を有効に使うために耳学を始めよう!」
そう思ってやってみたものの上手くいきませんでした。
朝の通勤電車だったり、昼の休憩時間時間だったり、勤務後の暇な時だったり、「いつやるか」を決めていなかったから習慣化できなかったんだと思います。
以前紹介した「知識を操る超読書術」の記事でも書いていますが、「運動には学習効率を高める」ってことを知った時からジムでの耳学を始めました。
「もしジムに行ったら、耳学をする」
こんな感じですね。
これが上手くはまって、見事に習慣化できました。
今では完全にジムが「運動×耳学」の場所になっています。
事前に「いつ、どこで、何をするか」を明確にするだけでその行動は習慣化できるはずです。
if-thenプラニングとは「もしXならば、Yする」といった行動計画の手段。脳の性質上、行動の実行率が大幅に高まる
成長を実感する充実感は「完璧」を目指す緊張感とは、まったく別のものです。
成長を実感する充実感は「完璧」を目指す緊張感とは、まったく別のものです。
本書では目標設定の際、その目標が「成長ゴール」となるようにすることをすすめています。
自分の成長にフォーカスして目標を設定すること。「かっこいいと思われたい」ではなくて「かっこいい人になりたい」
自分の成長にフォーカスすることでモチベーションはどんどん高まっていきます。
それはコントロールできない「結果」がやる気に左右しないから。
例えば、「Twitterでフォロワー1000人」を目標とした時、フォローされるか否かは相手次第。
つまり、コントロールできない要素ですよね。
自分の成長を目標にすることでやる気がどんどんみなぎっていきます。
目的と手段が逆になってる
「ブログでたくさんのファンを作る!」
こういった目標を掲げて、ブログを開始してみました。
ですが、なかなかpv数が増えなくてモチベーションが駄々下がりになったことを覚えています。
自分ではコントロールできないファンの数をモチベーターにしてたからだと今は思います。
今は「ブログを通じて本の魅力を知ってもらう」ということを目的としてブログ活動をしています。
まだまだpv数は少ないですが、自分の発信が人のためになっていたら徐々に見てくださる方は増えてくるのかなと思っています。
pv数やファン数は目的ではなく結果だということがわかりました。
「成長ゴール」とは自身の成長にフォーカスすること。コントロールできない「結果」を目標にすると、上手くいかない不安がつきまとう。
まとめ|成功者の習慣をまねする
習慣は諸刃の剣だと思う。
いい習慣は時間が経つにつれて莫大な恩恵を与えてくれるのに対し、悪習は不健康や停滞などのダメージをもたらしてしまう。
成功者に共通する習慣は間違いなく「いい習慣」
本書に書かれた、モチベーションを操る習慣をマスターし、これから色々と成し遂げていきたいところ。