日本人は睡眠不足が多い
睡眠には
- 記憶の整理
- 老廃物の排出
といった役割があります。
深い睡眠である「徐波睡眠」により海馬に関わる記憶が定着されます。
また、徐波睡眠には「グリンパティック・システム」という機能があり、これにより脳の老廃物が除去されます。
それだけ睡眠が重要な機能を担っているにも関わらず、日本人の大半は睡眠不足です。
WHOの推奨する睡眠時間は8時間ですが、日本人の4割は6時間未満の睡眠不足だというのです。
この睡眠問題を解決する手段として「運動」があります。
運動によって睡眠が改善する
台湾大学の研究で、運動が睡眠を改善するかを検討したものがあります。
305名の40歳以上成人を対象に、有酸素運動や筋トレを実施しました。その結果、睡眠の質を反映する指標(Pittsburgh Sleep Quality Index)において優位に改善したようです。
また、他の研究でも習慣的な筋トレが睡眠の質を向上させたと報告しています。
さらに、カンザス州立大学のメタ分析では、運動が徐波睡眠の時間を延長させ、入眠までの時間を短縮するといった結果が確認されています。
睡眠を改善する手段として運動は間違いないように思われます。
なぜ運動が睡眠を改善するか?
運動は以下のようにして睡眠を改善すると言われています。
- 運動により体温が上昇し、徐波睡眠を誘発する
- 徐波睡眠に影響を与える成長ホルモンが分泌される
- BDNFにより気分が安定する
- 迷走神経の活性化により睡眠時の心拍数が低下する
しかし、明らかになっていないことも多いようで、これからより多くの研究が必要だと考えられています。
運動で睡眠不足を解消しよう
睡眠不足がもたらす様々な弊害は見過ごすことができないことばかりです。運動には睡眠の質を高める以外にも多くのメリットを有しています。これを機に運動をしてより良い睡眠を手にしてみてはいかがでしょうか?