HIITをご存知でしょうか?High-Intensity Intarval Trainingの略で、全力の運動と休憩を短時間で繰り返す運動です。例えば、30秒間の全力ダッシュ・10秒間の休憩を8セット行う、などです。短時間で行えるにも関わらず、その効果は心肺機能の改善・血糖値の安定・筋力の向上など多岐にわたります。ではそのHIITはダイエットには有効なのでしょうか?HIITと減量に関係しそうな研究記事を読んでみたので、それをまとめてみようと思います。
中国・天津体育大学の研究(2012)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22648463/#affiliation-1
研究デザインはRCTで、HIITが体組成に及ぼす影響を調査した研究です。体脂肪率30%以上の女子大学生がHIITと有酸素運動のグループに分けられ、それぞれ週5回の運動を12週間行われました。両グループともに身体組成(体脂肪量や体脂肪率)の改善を認めた上に、心肺機能の向上にも至りました。
フロンテア大学の研究(2021)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8358598/
運動をしていない肥満女性30人を対象とした研究です。HIITと低カロリー食を12週間続けた結果、脂肪量が2.4kg減少し、体脂肪率は2.0%減少しました。また心肺機能の向上(+14.0%)、筋パワーの向上(PP0:+19.8%)など他にも良好な結果が得られました。
ニューサウスウェールズ大学の研究(2017)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28401638/#affiliation-1
研究デザインは信頼性の高いシステマティックレビューとメタアナリシスです。この研究によると、有酸素運動とHIITの体組成に対する効果には差を認めなかったそうです。しかし、運動時間は有酸素運動の40%未満であったともしています。つまり、HIITは短い時間で行えるにも関わらず有酸素運動と同等の効果が得られるということ。HIITの魅力はやはりこの「時間効率」の良さにありそうですね。また全身の脂肪量を減らすにはエルゴメータよりランニングの方が効果的という結果にもなったようです。
まとめ
今回の研究の結果から考えると、HIITは体脂肪や体重の減少などの効果がありそうですね。しかし、今回紹介してませんがHIITが減量には有効ではなかったという報告もあります。対象とする人や運動の頻度、実施期間が関係あるんですかね?また色々と論文をみていきたいと思います。