皆さんは運動をしていますか。運動には、ジムで筋トレ、公園でランニング、家でストレッチなど様々な種類がありますね。今日お伝えする運動は「HIIT」という運動方法です。高強度の運動と短時間の運動を繰り返す運動の方法で、短時間で行えるにも関わらずその効果は多岐にわたります。今日はHIITが心肺機能との関係を示した論文を読んだのでそれをお伝えしたいと思います。
マカオ大学の研究(2016)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27368057/
研究デザインはRCTでHIITと有酸素運動を比較した研究になります。肥満女性をHIITと有酸素運動の2グループに分け、それぞれの運動を5週間実施しました。その結果、両グループとも心肺機能の向上を認め、その程度はHIITで+9.1%、有酸素運動で+10.3%でした。さらにHIITは「PAES」という運動に対する楽しさを表す指標が有酸素運動よりも高かったようです。つまりHIITの方が有酸素運動よりも楽しかったと解釈できます。しかし減量や体脂肪率に改善を認めたのは有酸素運動だったようです。
セントラル・クイーンズランド大学の研究
https://bjsm.bmj.com/content/51/6/494.short
研究デザインは複数の研究データを解析するメタアナリシスです。この研究によると、HIITによりVO2maxという心肺機能を示す指標が向上することが明らかになりました。血圧や空腹時血糖値の改善などの効果もあるようです。また12週間以上のHIITではウエスト幅の改善、体脂肪率の減少など更なる利益がもたらされるという結果も示されました。
クイーンズランド大学の研究(2014)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24144531/#affiliation-1
この研究も信頼度の高いメタアナリシスです。生活習慣病患者を対象にしたHIITと有酸素運動の効果を明らかにすることを目的としました。この研究によると、HIITは有酸素運動より心肺機能を高めることが示され、その程度はなんと2倍にもなるそうです。しかし、対象者は健常人ではなく生活習慣病を有していたという点は考慮した方が良さそうですね。
まとめ
HIITはさまざまな健康上の効果がありますが、その一つとして心肺機能の向上があります。アスリートはもちろん、体を使うような仕事をしている人にもおすすめかもしれませんね。