NEATとは?
NEATとはNon Exercise Activty Thermogenesisの略で、日本語だと「非運動性熱産生」となります。簡単にいうと、運動以外の活動で消費するエネルギーのこと。家事や通勤、仕事などがNEATに含まれます。
NEATが1日の消費するエネルギーを占める割合は大きく、活動性の高い人はTEE(総消費エネルギー)の半分近くになるようです。
また肥満の人ほどNEATは少ない傾向があり、ある研究では肥満の人は痩せている人に比べ、消費エネルギーが350kcal(チョコケーキ一個分)も少なかったとか。
NEATを高めるには?
NEATを高めるには
- 動いている時間を増やす
- 普段の活動に負荷を加える
の2つがあると思います。
「動いている時間を増やす」の具体的な例として
- エレベーターの代わりに階段を使う
- 一駅前で降車してその分歩く
- スタンディングデスクを活用する
- 職場では遠くにあるトイレを使用する
などがあります。
「普段の活動に負荷を加える」には
- 普段の歩きを「早歩き」にする
- 階段は1段飛ばしで昇る
- ショッピングカートを使わず手持ちにする
などがあります。
ちょっと工夫を加えるだけでNEATを高めることは可能です。
NEATを高めることで運動に近い効果が
NEATを高めるだけでも運動と同じような効果が期待できるかもしれません。
マドリード大学の研究で、96名の肥満を対象にしたものがあります。NEATを増やすように指導されたグループと、運動を実施するグループに分けられました。その結果、全てのグループにおいて体重の減少(8.5〜11.5kg)と体脂肪量の減少(4.5〜5.5kg)が確認されたようです。またNEATを高めたグループは除脂肪量(筋肉の量など)の増加も認め、その程度は運動を行なったグループと差はみられなかったようです。
厚生労働省やWHOなども運動だけではなく普段からアクティブに動くことを推奨しています。つまり「NEATを高めよう」というメッセージとしても受け取れます。
ちょっと動くだけでも効果アリ
ほんの少し身体を動かすだけでも十分です。
短時間歩くだけでも脳への血流量は増加するようです。脳血管への血流低下は認知機能障害や神経変性疾患のリスクを高めてしまいます。
低強度の活動をすることでLPLが活性化します。LPLには脂肪の貯蔵を予防する働きがあるので、肥満の予防にもつながるかもしれません。
また、活動性の低い人にとっては、1時間の運動時間を設けるよりも、立ったり座ったりしている時間を作った方が有効かもしれません。
NEATを高めよう
NEATを高めることは、運動する時間を確保する必要もないので、忙しい人でも簡単に取り組むことができます。にも関わらず、その効果は運動にも引けをとらないほどです。運動不足解消のためにもぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか?