コロナ禍の今、運動不足の人が増えてきています。運動不足による健康被害は非常に大きいですよね。そんな今こそ手軽にできるウォーキングをお勧めします。本記事ではウォーキングがもたらす6つのメリットをお伝えしようと思います。
カロリー消費によるダイエット効果
ウォーキングは有酸素運動の一つであり、減量にも効果を示します。
体を動かすことによってリボタンパク質リパーゼ(LPL)という物質を増やすことができます(MR Taskinen,1980)。LPLには脂肪の貯蔵を阻止する働きがあるため、肥満の予防に効果が期待できます(ミズーリ大学の研究)。
マドリード大学の研究で、肥満の人を対象にした研究があります。低カロリー食と併せて身体活動量の増加を指導されたグループは、22週間後に体重の減少(約9kg)と体脂肪量の減少(約5%)が確認されました。
Sungjin Park(2008)らによると、毎日8000〜10000歩以上歩き、3METs以上(歩行と同程度以上の負荷)の活動を20〜30分行うことことで、座りがちな人に比べメタボのリスクが低下すると示しています。
肥満は万病のもと。美しいビジュアルと健康を保つために歩きましょう。
睡眠の質が高まる
エクササイズをするとトリプトファンが優先的に運ばれるため、脳内のセロトニン量が増加します。セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンへと変わるため、結果、運動することで睡眠の質が高ます。
Seth A Creasyら(2019)によると、低強度・中等度(歩きと同程度)の身体活動量が多い人ほど睡眠の質が高くなりました。また1日で座っている時間が長い人ほど、睡眠の時間は短く、質も良くなかったそうです。
ウォーキングをして日々の活動量を増やし、座る時間を減らすことで良質な睡眠が期待できます。
頭がよくなる
運動をすると「BDNF」という物質が分泌されるため、脳の働きが良くなことが知られています。少しのウォーキングでも脳機能に対していい効果が得られるようです。
Sophie E. Carter(2018)らによると、少し歩くだけでも脳への血流量が増加するようです。脳血管への血流量低下は、認知症などのリスクを高めてしまいます。
メンタルヘルスを安定
コロナ鬱という言葉もあるように、現代ではメンタル不調に対しても気を使う必要があります。ウォーキングでメンタル安定化を図りましょう。
東京大学の研究によると、1日の歩数は抑うつと負の相関関係にあるとしています。
またSamuel B Harvey(2018)らの研究では、週に1時間の身体活動がメンタル低下のリスクを12%低下させるとしています。
さらにミシシッピ大学の研究によると、10分間の早歩きと瞑想がメンタルを改善したと報告しています。
部屋にこもってばかりでは気も病んでしまいます。朝散歩などでセロトニンを分泌し、気持ちよく1日を過ごしましょう。
長生きできる
ウォーキングには寿命を伸ばす効果があります。
1日当たりの歩数や早歩きの時間が増えるほど、予防できる病気の数は多くなります。具体的には以下の通りです。
- 4000歩+早歩き5分⇨鬱病の予防
- 7000歩+早歩き15分⇨癌・骨粗鬆症の予防
- 8000歩+早歩き20分⇨高血圧・糖尿病の予防
(参考:青柳幸利,中之条研究ー高齢者の日常身体活動と健康に関する学術的研究)
また、Ulf Ekelund(2019)らによると、低強度の活動量がもっとも低いグループは最も高いグループに比べ死亡率が62%低かったようです。またこの研究では最も座ってる時間が長いグループは最も短いグループに比べ死亡率が263%upするという結果も示されています。
ウォーキングをする際は歩くペースも重要になりそうです。Emmanuel Stamatakisらは、普通または早いペースでウォーキングをしていた人は、遅く歩いていた人に比べ、死亡率が24%Down、心血管病による死亡率が21%Downしていたそうです。
今後は人生100年時代といわれており、高齢者の雇用促進も考えられているそうです(厚生労働省)。より健康的に生きていく必要がありそうですね。
血糖値を改善する
血糖値が悪くなり糖尿病になると様々な合併症を併発してしまいます。ウォーキングには血糖値を改善する作用があります。
Loretta DiPietro(2013)らによると、45分のウォーキングを行ったことで血糖値が改善したことを報告しています。また、45分連続でウォーキングを行うよりも15分のウォーキングを3回に分けて行った方が血糖値の乱高下が少なかったようです。
また、リレハンメル大学の研究でも、食後にゆっくりと25分歩いてだけでも血糖値の改善をもたらしています。
日本生活習慣病予防協会によると糖尿病の人口は1000万人にも上るとか。予防のためにもなるべく運動不足は避けたいところですね。
まとめ
「歩くだけ」たったこれだけでも多くのメリットがあります。少しでも体を動かすことの重要性を感じてもらえたら嬉しく思う限りです。今日からでもなるべく歩く習慣を身につけましょう。