HIITとはHigh Intensity Intarval Trainingの略で、高負荷の運動と短時間の休憩を繰り返す運動方法です。タバタ式トレーニングなどがその一種に当てはまりますね。本記事ではそんなHIITのメリットをご紹介します。
時間効率がいい
HIITは短時間で行えるにもかかわらず、その効果は大きいことがわかっています。
HIITと有酸素運動を比較した研究があります。HIITを実施した群は有酸素運動の半分の時間しか運動していないにもかかわらず、有酸素運動と同等の効果が得られました（心肺機能＋9.1％）。Tuğba Atan（2020）の研究でも、HIITは約半分の時間しか行なっていないにもかかわらず、QOL・心肺機能において有酸素運動と同等の改善を認めています。
QOL：Quality Of Lifeの略で「生活の質」という意味。科学的に測定できる主観的指標の一つ（厚生労働省より）
またSIT（Sprint Intarval Trainig）に関する研究にはなりますが、こちらは有酸素運動の1/5の時間しかインターバルトレーニングをしていないにも関わらず、有酸素運動と同レベルで心肺機能を向上させました。
多くの人が「時間がない」ことを理由に運動が実施できていません。HIITはそんな方におすすめの運動法ではないでしょうか？
ダイエット効果
ダイエット目的で運動をしている人は多いと思いますが、近所でランニングをする人、ジムで筋トレに励む人、スタジオでヨガをする人など様々でしょう。HIITはダイエットにも効果的なようです。
HIITと体組成に関するメタ分析によると、HIITは有酸素運動の約40％の時間にも関わらず、有酸素運動と同レベルに体脂肪量とウエスト幅を減少させたようです。本研究では、自転車運動よりもランニングの方が脂肪の減少に効果的であったともしています。また、E G Trapp（2008）らは、若年女性が週3回のHIITを15週間行なった結果、体重・脂肪量・血糖値の改善をもたらしたと報告しています。さらにゴイアス大学の研究では、体脂肪量の減少においてインターバルトレーニングは有酸素運動よりも28.5％効果的だったと結論づけています。
HIITには食欲を抑える効果や消費カロリーを増加させる働きもあるようです。肥満は体内に炎症をもたらし万病のもとになります。HIITで美ボディを作り健康体になりましょう。
頭がよくなる
賢くなりたければ勉強・読書しかないってわけではないんです。HIITをすることでも頭がよくなる可能性があります。
マカオ大学の研究で、HIITがBDNFを増加させることを報告しました。BDNFとはBrain-Derived Neurotrophic Factorの略で日本語だと「脳由来神経栄養因子」といいます。記憶などを司る海馬の機能を高め、脳機能の向上をもたらします。Iván Rentería（2020）やDaniel A Freitas（2018）もHIITがBDNFを増加させたとしています。
人生100年時代で大事なことをは人的資本を高めること。『脳を鍛えるにはHIIT』でしょう。
血糖値をよくする
糖尿病は様々な合併症を引き起こし、失明や透析などその人の生活の質を著しく低下させます。予防のためには血糖値を良好に保つこと。そのためにHIITが役立ちます。
信頼度の高いメタ分析をご紹介します。この研究により、HIITはコントロール群や他の運動と比べインスリン抵抗性を改善したと報告しています。インスリンとは血糖値を下げるホルモンのことで、この血糖値が下がりやすくなったということです。また2週間以上のHIITにより、コントロール群と比べてHbA1cは0.19％低下し、体重は1.3kg減少したそうです。
またSøren Møller Madsen（2015）やE G Trapp（2008）の研究でもHIITが血糖コントロールに役立ったと報告しています。
糖尿病はサイレントキラーとよばれ万病のもとになります。将来、健康的に生きていく上で糖尿病予防は欠かせません。
まとめ
HIITは時間効率最強の運動法です。脳機能向上をもたらす効果もあり、時間が足りないビジネスマンにとっても非常に頼もしい味方になるかもしれませんね。これを機にHIIT、ぜひ始めてみませんか？
