筋トレとは?
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筋トレの効果
よく眠れるようになる(安眠効果)
睡眠には記憶の整理・老廃物の排出★といった重要な機能があるにも関わらず、日本人の大半は睡眠不足となっている様です★。筋トレにはで睡眠の質を高める効果があることが分かっています。筋トレは以下のようにして睡眠を改善すると言われています★。
- 運動により体温が上昇し、徐波睡眠を誘発する
- 徐波睡眠に影響を与える成長ホルモンが分泌される
- BDNFにより気分が安定する
- 迷走神経の活性化により睡眠時の心拍数が低下する
筋トレと睡眠の関係性を調査したマクマスター大学のメタ分析があります。13件の研究結果を解析したところ、筋トレは睡眠の全ての側面を改善し、睡眠の質を高めるということが判明しました。プラスしてメンタルへの効果も示されているようです。
メンタルが安定する
筋トレにはメンタルを安定化させる効果もあるようです★。その機序は明確にはなっていないそうですが、IGF-1の分泌が関与していると考えられています★。IGF-1とはインスリン様成長因子のことで、脳の海馬に作用し、学習や記憶を助ける働きを有しています。以下、筋トレがメンタルを改善したという報告です。
- 12週間の筋トレにより、ポジティブな気分になるなどメンタル改善効果★
- 警察官を対象に4ヶ月の筋トレをしたことで不安や抑うつが改善★
- 低強度の筋トレを20分➡︎不安感の軽減★
- 1回の筋トレにより、不安を軽減する効果が120分続いた★
ダイエット効果
ダイエットをするには筋トレは欠かせません。2021年のニュー・サウス・ウェールズ大学によるメタ分析の結果、筋トレには
- 体脂肪率
- 体脂肪量
- 内臓脂肪
を減少させることが分かりました。特に内臓脂肪に関しては食事制限だけでの改善は難しいとされています★。
筋トレにはダイエット後のリバウンドを防ぐ働きもあります。カロリー制限で減量に成功した場合、筋肉量も一緒に減少してしまいますが、ヒトの身体はこの失われた筋肉量がもとのレベルに戻るまで脂肪を蓄えようとするため、結果的にリバウンドしやすくなってしまいます★。つまりダイエットには筋肉量を維持することが重要だということです。
筋トレによって身体を引き締められ、リバウンドの予防もできるので、ダイエットには筋トレを組み合わせるようにしましょう。
頭がよくなる(脳トレ効果)
認知機能とは理解・判断・論理などの知的機能のことで
- 計算や学習をする
- 記憶をする
- 深い思考をする
といった際に必要となります。筋トレには認知機能を高める働きもあります。ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学によるメタ分析ですが、健康な成人を対象に筋トレと認知機能の関係を調査しています。その結果、筋トレは運動をしない人に比べ、認知機能が改善するということが分かりました。また、他の研究では、28週間の筋トレにより高齢女性の認知機能が向上したと報告しています。
BDNFをご存知でしょうか?脳由来神経栄養因子のことで、神経のつながりを促進し脳を成長させる働きがあります。BDNFは運動をすることで増加することが分かっていますが、筋トレによっても分泌される様です。ECP(Extreme Conditioning Program)とBDNFの関係を調査した研究があります。ECPとはクロスフィットトレーニングとも呼ばれ、全身を鍛えることを目的としたトレーニングです。本研究の結果、ECPにより血漿中のBDNF濃度が上昇することが分かりました。筋トレは脳トレにもなります。
筋トレのコツ
総負荷量を意識する
筋トレで重要なことは総負荷量を意識することで、その総負荷量は「筋トレの強度 × 回数 × セット数」によって求めることができます。少し言い換えると
- 強度が低くても回数やセット数を増やせばいい
- 1セットで追い込むよりセット数を増やした方がいい
ということになります。マクマスター大学の研究によると、低強度の運動でも回数を増やし疲労困憊になるまで行ったことで蛋白質の合成率が向上したそうです。しかもその程度は高強度でのトレーニング以上でした。またインスブルック大学のメタ分析でも、低強度の運動を十分な回数行うことで筋力を向上させることが可能と示されており、他にも以下のようなことが報告されています。
総負荷量には「セット数」も含まれているので何セットか繰り返して行うことも非常に重要です。マクマスター大学による、同一強度の筋トレをセット数で比較した研究がありますが、セット数が多かった方が蛋白質の合成率が高値を示したようです。筋トレの効率を高めるには総負荷量を意識する必要があります。セット数は多い方がいいですし、低強度でも十分な回数を行えば大丈夫です。
フルレンジ(Full Range)で行う
フルレンジとは可動域全てを動かすことで、例えば、アームカールだと肘を伸ばしきるところから曲げきるとこまで行うことを指します。一方でパーシャルレンジとは可動域の一部の範囲で動かすことで、アームカールなら肘を伸ばしきらずに45°程度までにとどめることをいいます。そこで、筋トレにおいて有効なのは一体どちらなのでしょうか?それはフルレンジです。コペンハーゲン大学によるパーシャルレンジとフルレンジを比較した研究がありますが、これによるとフルレンジで筋トレをした方が筋肥大が生じたようです。またフェデラル大学の研究でも、フルレンジでのトレーニングの方が良好な結果を示しています。前述したように筋トレにおいて重要なことは総負荷量であり、フルレンジで行うことで総負荷量が高まることが、分かっています。このように筋力向上のためにはフルレンジでのトレーニングの方がいい、ということが分かります。
継続して行う
筋トレの効果を維持するには継続して行う必要があります。12週間の筋トレと12週間・24週間の休止期間を設けた研究があります★★★。その結果、筋トレによる筋力増強効果は12週間後には半減、24週間後にはほとんど消失していることがわかりました。筋トレを始めても効果がなくなってしまったら残念ですよね。効果を維持するためにはもちろん継続が必要になります。
サテライト細胞をご存知でしょうか。筋肉の中にある幹細胞のことで、筋肉の発達・修復などの作用があります。年齢とともに減少していきますが★、筋トレをすることで増加することが分かっています★。しかし、この増えたサテライト細胞も筋トレを止めてしまうことで減ってしまいます★。サテライト細胞を維持・向上する上でも筋トレを継続することは必要になります。
プロテインを飲む
筋トレの効果を高めるためにはプロテインの摂取がオススメです★。筋肉はタンパク質によってできており、タンパク質の合成により筋肥大や筋力増強がもたらされます。そのタンパク質を補給するためにプロテインが役に立つというわけです。
プロテイン摂取にはゴールデンタイムと呼ばれる時間帯があり、それは筋トレ後の1〜2時間だとされています★。この時間帯はタンパク質の合成感度が最も高く、プロテイン摂取に適している時間とされています。ただ、ゴールデンタイムにプロテインを飲めばOKというわけではありません。筋トレ後の24時間はタンパク質の合成感度が高まる効果が持続しているため、ゴールデンタイム以外の時間に関しても栄養管理が重要になってきます★。
筋トレ1〜2時間後のプロテイン摂取は有効ですが、24時間通じて栄養管理をしましょう。
カフェインを摂取する
カフェインを摂取することで筋トレの効率Upが期待できます。その理由ですが
- アデノシン受容体の感受性を低下させ、筋疲労を感じるのが遅くなる
- ドーパミンが分泌されることで脳の神経活動が高まる
ことが挙げられます。また、追加調査が必要であるとしているものの、ヴィクトリア大学のメタ分析によっても以下のことが示されています。
- カフェインの摂取により筋力(1RMや垂直跳び)が向上する
- 様々なスポーツのパフォーマンスを改善させる可能性がある。
- 上半身の筋力を優位に改善する
- 男性の方が効果が高い
- カフェイン摂取の形態は液体よりもカプセル状の方が優れていた
摂取量に関しては体重1kgあたり3mmg以上が推奨されている様です。9mmg以上摂取すると睡眠に支障が出る可能性がある様なのでそこは注意が必要です。
筋トレの方法
筋トレの原則
筋トレの効率を高めるためには以下の原則を知っておくといいと思います。
- 過負荷の原則:日常でかかる負荷よりも高い負荷をかける
- 漸増負荷の原則:筋力の向上に伴い負荷を増加させる
- 反復性の原則:すぐに効果は現れないので継続する
- 特異性の原則:鍛えた方法に準じて筋力が発揮できるようになる
- 意識性の原則:どの筋力をつけたいのか意識する
- 個別性の原則:年齢や性差などがあるので個人差を考慮する
- 全面性の原則:関節や筋への負担を予防するために全体的に鍛える
オススメのサプリメント
クレアチンリン
筋肉が活動するときにはATPが必要になりますが、そのATPを産生する仕組みの一つにクレアチンリン酸系という方法があります。サプリメントでクレアチンを補充することで、クレアチンリン酸系の効率が良くなり、筋トレのパフォーマンス向上につながります。フランスのメタ分析により、クレアチンが筋トレの効率やパフォーマンスを改善することが確認され、研究者は「クレアチンはトレーニング効果、パフォーマンスを向上させる」と結論づけています。摂取方法は以下の通りです。
- 最初の1週間:体重1kgあたり0.3g
- 以降:3〜5g
HMB(β-hydroxy-β-methylbutyrate)
筋トレ初心者の方にはHMBの摂取もオススメです。HMBの摂取により、筋肥大や筋力増強の効果があることが分かっています★。その理由としては、HMBを摂取することでmTORが活性化し、筋タンパク合成の促進・分解の抑制が生じるからです。その適切な摂取量は1回3gを数回に分けて摂取するといいそうです。また、トレーニング経験者やスポーツ選手などに対する効果はイマイチなようなのでそこは注意が必要です★★★。
ベータアラニン
ベータアラニンも筋トレにオススメのサプリです。筋肉は活動する際に水素を発生させますが、これによりアシドーシスが生じ筋疲労が生じます。ベータアラニンを摂取することで、カルノシン濃度が高まり水素の発生を抑制できるので筋疲労の軽減につながります。実際にベータアラニンを摂ることで筋肉量が増加したという報告も多くあります★★★。実際に摂取する際は2gを数回に分けるといいそうです。
まとめ
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