「HIITと心肺機能の関係について知りたい!」
HIITとは今注目の運動であり、全力の運動負荷と休憩を頻回に繰り返す。
短時間で行えるにも関わらずその効果は絶大で減量・血糖値の安定・筋力の強化などが期待できる。
心肺機能とは心臓や肺の能力のことで、スポーツで高いパフォーマンスを発揮するには重要な要素となってくる。
そこで本記事では「HIITが心肺機能にもたらす効果」をお伝えしていく。
HIITについてより詳しく知りたい人は、ぜひ最後まで読み進めてほしい。
HIITと心肺機能に関する論文
クイーンズ大学の研究(2012)
22歳前後の活動的な女性を対象としている。
トレッドミルを使用し持久力訓練を行なうグループとバーピーやジャンピングジャックなどの全身運動を用いHIITを行なうグループに分けられた。
その結果、両グループともに7~8%の心肺機能向上を認めた。
またHIITを行なったグループは筋持久力の改善を認め、レッグエクステンションでは40%、チェストプレスでは207%、プッシュアップでは135%も向上した。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22994393/#affiliation-1
シドニー大学の研究(2019)
研究デザインはメタアナリシスという信頼度の高い研究方法。
メタアナリシスとは、過去に行われた複数の研究を統合・解析する最も質の高い研究方法。一つ一つの研究結果が違う場合でも、多くのデータを用いることで総合的に判断することが可能。別名:メタ分析・メタ解析
HIITと有酸素運動の心肺機能や体組成に与える影響を調べることを目的とし、47件の研究データを基に解析さた。
その結果、HIITは有酸素運動よりも心肺機能を改善したと報告している。
しかし、本研究ではHIITは体組成の改善には効果的ではないとも結論づけている。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31401727/#affiliation-1
香港大学の研究(2020)
研究デザインはRCTで、有酸素運動とHIITの比較を目的にしている。
RCTとはランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial)の略で、研究方法の一つ。対象者の選択や割り付けによる偏りを避けることができるため、質の高い研究に位置付けられる。医療の現場のみならず経済学の分野でも用いられる。
24人の肥満成人を対象に有酸素運動のグループとHIITのグループに割り当て、それぞれ週3回の運動を8週間行なった。
その結果、両グループともに心肺機能の向上・脂肪の減少を認め、「運動の楽しさ」は有酸素運動とHIITで同等のレベルで高い値を示した。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32497454/
まとめ
HIITは短時間で行えるにも関わらず、時間を要する「有酸素運動」と同等以上の心肺機能向上をもたらす。
また、研究によって結果に差異はあるものの、HIITは体重の減少や筋力の強化など他の効果も認める。
運動をするにも時間がない人や、スポーツをやって心肺機能を高めたい人もHIITを試してみてはいかがだろうか?